椎名林檎のライブ「党大会 令和八年列島巡回」/先輩にカミングアウト

ネタバレ注意

大好きな椎名林檎さんのライブに行ってきました。

今回は、「音響に定評のある会場を選りすぐりました」とのことで、とってもキャパが狭いホールコンサート!!
どの会場も、1500席〜2000席前後の小さめなホールで、チケットの当選率は低かったみたい。

幸運にも、1回だけ当選した。しかも、林檎さんのデビュー日(5/27)の群馬の高崎芸術劇場の公演。

今回は、会社の先輩と2人で行ってきたので、合わせて高崎観光もしてきました。

党大会 令和八年列島巡回に行ってきた

セットリスト

01. ポルターガイスト
02. おいしい季節
03. カプチーノ
04. 茜さす 帰路照らされど•••
05. 少女ロボット
06. 化粧直し
07. cry me a river
08. 秘め初め
09. SI・GE・KI
10. おこのみで
11. 迷彩
12. 錯乱(TERRA ver.)
13. 薄ら氷心中
14. take five
15. TOKYO
16. Between Today and Tomorrow
17. 覚め醒め
18. 至宝
19. パパイヤマンゴー
20. 松に鶴
21. 公然の秘密
22. 色恋沙汰
23. 赤道を越えたら
24. マ・シェリ
25. 旬
//アンコール
EN01.茎(STEM)
EN02.ジユーダム

党大会 令和八年列島巡回 / 椎名林檎

印象深い場面

ポルターガイスト

一発目がまさかのポルターガイスト。
この曲、音の運びが絶妙に半音を介すワルツで、聴くたびにまるで空中散歩をしているようなふわふわした感覚になる。
椎名林檎さんの登場の仕方も、下手からひょこっと顔を出す感じでとても可愛らしかった。

林檎さんがスライドホイッスルを演奏。剽軽かつ大胆な吹きっぷりが美しかった。

おいしい季節

僕が初めて椎名林檎さんのライブに行ったのは「椎名林檎と彼奴等の居る真空地帯」だった。
その時も、2曲目はこの「おいしい季節」だった。今回も2曲目。

旬は正にいまでしょ
おいでここへ急いで
時間が溶けて無くなるよ

おいしい季節 / 椎名林檎

林檎さんが目の前で歌っている、っていうのはいつも信じられない夢みたいな状況なんだけれど、この歌詞の通り、まさに今が旬なんだと実感する。そして、今この一瞬、一秒を大切に刻もうと思った。
そして、<時間が溶けて無くなるよ>のロングトーンの途中で声色が変わる瞬間、たまらなく好きです!

カプチーノ

ともさかりえさんへの提供曲で、大好きな曲。
大人になった今、この歌詞が刺さっている。考えすぎて言えなくなる経験が、年を重ねるごとに積み重なってきたからかもしれない。

今度逢う時はコートも要らないと
そんなに普通に云えちゃうのが
理解らない

カプチーノ / 椎名林檎

この曲は、聴く人によって解釈が違うみたいなんだけど、僕は、色々と考えすぎて言葉や行動にはできない主人公と、さらっと余裕のある相手の対比を描いた曲のように思える。

相手に悪意はなく、ただ思ったことを口にしただけ。でも、主人公にとっては「どうしてそんなことが言えるの」と思ってしまう。僕自身、考えた末に何も言えなくなってしまうタイプなので、この歌詞にグッときてしまう。

曲調は、どちらかというとともさかりえさんのバージョンの、4ビートが強調されたとても好きなアレンジだった。
サビ前に腰肩腕をシェイクさせたり、サビでハンマーを振りかぶってコンサートチャイムを鳴らす林檎さんの姿をみていたらなぜか涙がボロボロ出てきた。明るい曲調だけど、切なくて胸がギュッと締め付けられた。

茜さす 帰路照らされど•••

林さんのピアノが聞こえた瞬間に感動と呆然が混じったような変な感覚になった。
ファーストアルバムの『無罪モラトリアム』からまさかこの曲が聴けるとは…。

椎名林檎さんの曲との出会いは幼稚園時代だった。父親は無罪モラトリアムのCDを車の中でエンドレスリピートしていて、致死量の椎名林檎を浴びていた。
だから、この頃聴いた曲はかなり脳内というかDNAに刻まれている感覚がある。その生で聴けたのが不思議な感覚で、感慨深い。

茜色の照明が後光のように客席全体を照らしてとても美しかった。

化粧直し

林檎博’18ではインストだった化粧直しがついに歌ありで聴けてとても嬉しかった。
東京事変の中でも化粧直しは大好きな曲だ。

林檎さんのラテン楽曲が大好きだ。この化粧直しはボサノバ調で、ラテンの中でも涼しく感じる。
林さんが左手でオルガン、右手でピアノを弾いていて、そのどちらもすごく美しいフレーズで聴き入ってしまった。

サビの滑らかで伸びのびとしたメロディがホール全体に響いていて感動した。

SI・GE・KI

新アルバムの「禁じ手」で一番癖になる曲。

ZAZEN BOYSのバージョン、向井秀徳と椎名林檎バージョンもどちらも好きなんだけど、今回のライブの林檎さんがラップパート、歌パートの全て担当したバージョンもとても良かった。林檎さんの低音ボイス、ゾクゾクする。

後半の照明がストロボのようにビカビカして、石若さんのドラムと林さんのピアノが銃撃戦のように激しく撃ち合っていて迫力満点で最高だった。

この辺からライブに没入し、後から思い出そうにも記憶が朧げに…

TOKYO

前曲のtake fiveは5拍子だったので、ひょっとしてと思ったらやっぱりTOKYO。しかも間髪入れない曲の入りが完璧すぎて思わず歓声が出た。

ピアノが主軸のジャズワルツが大好きで、本当に何度も何度も聴いている。
TOKYOの歌詞も好き。句読点が多く、歌詞というよりはだれかの日記を読んでいるような感覚になる。

傘も携え用意周到だった。
だのに濡れている自分。
不幸なんだって。
まあしんどいよ。
しとどに泣く足。
どこへも誰へも
続いていないこの道。

TOKYO / 椎名林檎

僕は生まれながらゲイなんだけど、それを自覚した時は小学生だった。その時の気持ちを代弁するようなこの歌詞が辛い。
堂々と肝が据わった人が羨ましく、対照的に臆病な自分は両親のような幸せな家庭を築くことを夢に、ひたむきにコツコツ生きていくつもりだった。けれど、ゲイを自覚した瞬間にそんなのは夢の話で、実現不可能なんだと悟った。
一体、誰の為、何の為に生きているのかがわからず、けれど誰にも言い出せず、喪失感と孤独で潰れそうになってたことがある。

当時は、<高が知れた未来。短く切上げて消え去りたい。>と本気で思っていた。
今回、しゃがみながら頭を抱えて泣き叫ぶように歌い上げる林檎さんの姿から、そんなことを思い出してボロボロと涙が出た。

赤道を越えたら

ハート型のチェリーケーキのようなものを頭に乗せて、全身赤色のバスガイドさんみたいな衣装がとてもキュート。

林檎さんのラテンが大好きだ(二度目)。原曲よりも情熱的な感じがして、とても良かった。
トロンボーンの村田先生のソロも流石で圧巻でした。


\群馬の方はどれくらいですか?/ \遠征組っ?/ と珍しくコール&レスポンスがあり、大盛り上がり。
遠征組としてめっちゃ旗ふりました🚩

間奏では、

\タカサキッ/ \イイネッ/ \サウダージダネッ/ と言ってくださって、可愛すぎました。
手旗をゆったりと振りながら、会場全体が赤く染まっていて何とも綺麗な光景でした。

本編最後は「旬」でした。大好きな曲(全部好き)。

生きているうちはずっと旬だと
そう裏付けて
充たして
いまを感じて覚えて何時もより
生きて、生きて、活きて居よう

旬 / 椎名林檎

ライブ序盤の「おいしい季節」の<旬は正にいまでしょ>から、<生きているうちはずっと旬>という歌詞への繋がりを感じます。「いまを大切に」「生きて」というメッセージ性を感じ、心に刻みました。

茎(STEM)

まさか茎まで聴けるとは…。アルバム「平成風俗」の英詞のスロージャズに近いアレンジで、しっとり包み込まれるような感覚でした。

林檎さんのアルバムの曲目がシンメトリーに配置されていることは有名ですが、その中でも真ん中の曲は人生の指針となるような濃厚な曲で大好きです。
今回のライブでは真ん中の曲が4曲も聴けて、ほんと、感無量です。とても贅沢なライブだと感じました。

アンコールトーク

林檎さん:「先ほど話の途中みたいになっちゃいましたけど、群馬の方はどれくらいいらっしゃるのか気になって。抜打ちテストしていいですか?」
林檎さん: \世のちり洗う?/
群馬の民: \四万温泉〜!!/
林檎さん:「結局どれくらいいらっしゃるのだろう、わかんなかったw」

と、林檎さんには珍しいコール&レスポンスが。群馬の郷土かるたである「上毛かるた」なるものがあるみたいです。
即反応されている群馬のOTKの皆様、さすがでした。
四万温泉、気になるので今度旅行で訪れてみたい。

党大会を通して

個人的に刺さる曲が多すぎて涙腺崩壊してました。
終了直後、先輩が「めちゃ泣いてたね、よしよし」と慰めてくれました。先輩…。

Xも見ないようにして何も情報がないままライブに臨んだんですが、音響に定評のある会場ということだったので、前回のようなクラシカルなイメージをしていました。
それが、クラシカルな曲に加え、こんなにラテンやジャズを堪能できるとは…。

また、今回はスクリーン設置がなく、着席したまま聴くスタイルなのが新鮮でした。
毎度、児玉監督のムービーは素晴らしいのですが、今回は敢えてそれがなかったことにより、耳に神経を集中させて「音」をじっくりと堪能できました。\SOSOUND/

序盤に「苦手なラブソングのみに絞った、苦味のある大人の党大会」というテーマが林檎さんのアナウンスがあったんだけど、正直これまでラブソングだとは思っていなかった楽曲もセットリストには入っていた。
ライブ後に何度も聴き返して、ハッとしています。解釈が深まって視野が広がった感覚。

そして、音響の良いホールでこれらの楽曲を堪能できたこと自体がとても贅沢で、夢のような時間でした。そして、林檎さんに元気をもらって生かされていると改めて思いました。林檎さんのおかげで明日からも生きていけます。

椎名林檎さんが大好きでしたが、もっと好きになりました。
そして、林檎さん、デビュー28周年おめでとうございます。これからもずっと大好きです。

P.S.
この5/27の公演の裏に、様々な大変さがあったのだと後から知った。
知らずに聴いていたあの時間が、実はより一層尊いものだったのだと今更ながら噛み締めて、胸がいっぱいになっている。
大変な中、我々ファンに素晴らしい歌を届けてくれたことに、ただただ感謝しかない。林檎さん、本当にありがとうございました。
でも何よりも、林檎さんの健康が一番大切です。ご自愛ください。

ライブグッズ

今回のライブグッズは好みのアクセサリー類が多くて、色々と買ってしまった!
サングラスの暗躍グラスは、思ったよりマットな質感で大人っぽく、ドライブするときのお気に入りです。

あとは、アクリルスタンドのモバイル党首も嬉しい!旅行先に党首を連れていくこともできるようになったので、今後の推し活が捗る。

今回は1公演しか当選しなかったこともあって、思い切って浴衣も注文した。
届くのは今年の冬とのことなので少し先になるけど、来年の夏は花火や屋形船など浴衣イベントに出かけたい。

購入したもの

会社の先輩と高崎観光

ライブを見に行く計画を先輩と立てるとき、ライブ後に運転して帰るのはしんどいからと一泊することになった。
どうせ泊まるならと、ついでに前橋・高崎の観光もすることに。

僕は割と会社での人間関係はドライでもいいじゃないか、と思っているタイプなので、会社の人と一緒に宿泊ありで遊びに行くことなんて初めてだった。

だから、問題なく旅行に行けるのかと少し心配していたけれど、結果的に思い出に残るいい旅となったので書き残しておこうと思います。

車中で思いがけずカミングアウト

朝早く起きて支度をして、都内の先輩の住む街まで車を走らせる。首都高の運転はいつもヒヤヒヤする。

やっぱり平日朝の首都高は渋滞していて、朝早めに出発してよかった!
事故ってしまうとライブどころでは無くなってしまうので、かなり慎重になって手汗をかいていた。

道中は、Spotifyの椎名林檎・東京事変プレイリストを再生しながら、たくさん話をした。
先輩は会話上手で、行きの車内でトークはかなり盛り上がり、群馬への道中があっという間に感じた。

いつもは先輩とは仕事仲間として真剣に仕事の話ばかりをしている。
けれど、PCの画面越しではなく、車の中というのもあってかお互いのプライベートな話ができて新鮮だった。

最初はお互い東京事変のコピバンをしていた話など音楽の話が多かったけれど、途中から人生の話や恋愛の話に転じた。

僕は、元カレのことを元カノに置き換えて話していたけれど、いろいろと辻褄も合わなくなってきて、勢いに任せてカミングアウトをしてしまった!

先輩は、ゲイであることについて深掘りするでもなく、何ら変わらずに続きの会話をしてくれて、その偏見のなさに逆に驚いた。し、これはとてもありがたいことだなと思った。

カミングアウトしてしまってからは、心のリミッターが外れて楽になった。
先日破局した話、この先ゲイとして人生設計で迷っている話、好きなタイプや恋バナなど、色々と隠すことなく素直に話すことができてとても気楽で心地よい時間になった。

東京事変を感じる進雄神社

ライブ前、高崎の進雄神社を参拝した。手書きの立派な御朱印を消費巡礼に預かった。

いただいた御朱印

御朱印のことしか知らずに訪れたけど、神社の奥の方にいくと何と孔雀に、白孔雀の番がいた。東京事変のバンドシンボルでもある孔雀。「こんな偶然ある?」と先輩と笑った。

孔雀
白孔雀の番

群馬県庁のフレンチで昼食

群馬県庁は33階建てとなっていて日本の県庁の中で日本一の高さらしい。31階にあるヴォレ・シーニュという欧州料理レストランでランチを食べた。

インテリアが凝っていて木のクラシカルな雰囲気が素敵でした。また、窓からの見晴らしも良くて開放的。
料理は、ハーブ鯛めしと赤城鶏のコンフィといった地元食材をふんだんに使った料理もとてもおいしかった!

ハーブ鯛めしと赤城鶏のコンフィ

展望デッキは360°のパノラマビューになっていて、榛名山の裾野が緩やかにとても長く伸びていて雄大だった。
(上毛かるたにも「裾野は長し赤城山」とあるみたい)

また、おしゃれなカフェやコワーキングスペースがあったりして、群馬でのワーケーションも良さそう!

高崎の大観音の外の景色

2日目は、洞窟観音高崎白衣大観音を梯子した。

洞窟観音の方は、その名の通り洞窟の中に想像以上の観音が羅列されていて、不思議な空間だった。その隣の徳明園は、苔庭が綺麗でマイナスイオンを感じるチルい空間だった。

続いて高崎白衣大観音へ。平日だったからかかなり空いていた。けど、椎名林檎のグッズを身につけている方がちらほらいらっしゃって親近感を覚えた。大観音は太鼓橋を渡ると丘の上に直立しており、大迫力だった。

高崎の大観音

胎内にも登ることができて、各方面に向いた小窓がついていて、東京方面は特に広大な平野が広がっていて眺めが良かった。

高崎の大観音の胎内の小窓

モバイル党首と高崎パスタ

「パスタのまち高崎」と呼ばれるほど、高崎はパスタが有名だそう。
以前訪れてとてもおいしかったパスタ専門店のはらっぱをリピートした。

ここのガーリックの効いたトマトソース系のパスタがとても美味しかったので、今回は「Newはらっぱ」を頼んだ。

ジェノベーゼとトマトソースの組み合わせは人生初だったけれど、意外にもマッチしていて美味かった。また食べたい!

「党首、高崎パスタですよ!」

モバイル党首とNewはらっぱ

思い出に残る2日間だった

この二日間、ライブも観光も含めてとても濃かった。

林檎さんのライブは言わずもがな最高だった。そして、会社の先輩とこんなに仲良くなれるとも思っていなかった。

きっかけは、先輩が一昨年の椎名林檎「生林檎博 景気の回復」に行ったことを社内SNSに投稿していたことだった。
たまたま自分も同じ千秋楽の福岡公演を見に行っていたので、忘年会で声をかけたのを覚えている。

この頃から、林檎さんの話題を始め、色々と雑談できるようになったように思う。

会社だと割と当たり障りない会話が多いけれど、やっぱり共通の話題があるとお互い会話にかける熱量が違う。
とはいえ、お互いリモートワークで画面越しに仕事の話ばかりしていたから、僕の中ではどうしても先輩のことを「仕事の仲間」として意識していた。

けれど今回の旅行で、その意識は大きく変わった。唐突にカミングアウトをしてしまったのだけれど、先輩はいい意味で何も変わらずに接してくれて、その優しさに感激した。

カミングアウト後にこんな会話をした。
「会社の人とこんな風に旅行に来るとか全くないんで、今日緊張してるんですよ。」と話した時、先輩から「僕からすると雲間くんはもう会社の人というより、プライベートな友達だと思ってるよ。会社とか関係なくこれからも仲良くしてほしい。」と言ってくれた。この一言がとても嬉しく、僕の中でも意識が変わった。

話していく上で共通の趣味もたくさん見つかったし、今後もぜひ仲良くしていきたいと僕も思った。

林檎さんのライブ、そして先輩とグッと距離が縮まったことが重なったこの群馬旅行は、僕にとって忘れられない2日間になった。